WordPressのマルチサイト機能を設定します。マルチサイト機能にはサブディレクトリ型(example.com/hoge/)とサブドメイン型(hoge.example.com)があります。WordPressのインストールから1ヶ月を経過するとデフォルトではサブディレクトリ型は選択できなくなります。サブディレクトリ型を使いたい場合は,早めにマルチサイトの設定を行ったほうがいいでしょう。また,サイトアドレスの変更(ルートディレクトリ以外にインストールしたWordPressでドメインのトップページを表示させる)をしたい場合にはマルチサイト機能の導入前に行っておきます。なお,もともとあったサイトのアーカイブはマルチサイト化後はblogディレクトリに自動的に移されます。
手順
1. バックアップ
マルチサイト機能の導入は,サイト構造に大きな変化をもたらします。作業の開始前に,既存の環境のバックアップを取っておきましょう。
2. プラグインの無効化
すべてのプラグインをいったん無効化します。
3. wp-config.phpの編集(その1)
wp-config.phpに以下のコードを追加します。
位置は「/* 編集が必要なのはここまでです ! WordPress でブログをお楽しみください。 */」よりも前です。
define ('WP_ALLOW_MULTISITE', true);
4. WordPressサイトネットワークの作成
3.のコードを記述したwp-config.phpをアップロードすると管理画面の「ツール」内に「サイトネットワークの設置」メニューが現れるのでそれを選択します。
(WordPress Codex 日本語版では「ネットワークの設置」となっていますが,4.8.1jaでは「サイトネットワークの設置」でした。)
「WordPressサイトのネットワークの作成」画面が開きますので,次の項目を設定・確認します。
- サブディレクトリ型がサブドメイン型か
後から変更できませんので慎重に選んでください。
(WordPressのインストール後1ヶ月以上たっている場合にはデフォルトではサブドメイン型しか選択できません。また,テスト環境などでlocalhostにインストールしている場合にはサブディレクトリ型しか選択できません。)。 -
サーバーのアドレス
自動で表示されますので自分の環境と合っているか確認してください。 -
ネットワークのタイトル
ネットワークにつける名前です。後から変更もできます。 -
サイトネットワーク管理者のメールアドレス
WordPressからの通知を受けるメールアドレスです。新しいサイトが作成されたときなどにメールが届きます。後から変更もできます。
各項目が正しいことを確認して「インストール」ボタンを押します。
5. wp-congig.phpファイルの編集(その2)
画面の指示に従ってwp-config.phpファイルにコードを追記します。
6. .htaccessファイルの編集
同じく画面の指示に従って.htaccessファイルを編集します。WordPressによる設定がすでにある場合は,既存のものと置き換えます。
7. ファイルのアップロード
5.と6.で編集したwp-config.phpと.htaccessをアップロードします。
アップロード後にWordPressにログインするとサイトネットワークの管理メニューができています。
8. パーマリンクの確認
もともとあったサイトのアーカイブのURLはblogディレクトリに移されています。また,パーマリンクをカスタム構造にしていた場合,その設定がリセットされるようなので,必要に応じて設定しなおします。
(このサイトの場合は,マルチサイト機能有効化後には「カスタム構造」から「日付と投稿名」に自動で変わっていました。)。
9. プラグインの有効化
マルチサイト機能の有効化が終わったら,2.で無効化したプラグインを元に戻します。
新しいサイトの追加
マルチサイト機能を有効化すると「サイトネットワーク管理」の[サイト]-[新規追加]で新しいサイトを作ることができます。
設定するのは次の項目です。
* サイトアドレス
* サイトのタイトル
* サイトの言語
* 管理者のメールアドレス
新しいサイトも既存のサイトと同じユーザーで管理したい場合には,すでに登録済みのメールアドレスを入力します(そうしないと新しいユーザーが作成されてしまいます。)。